夜と不眠/はるな
 
(2:24)

夏の底では
夜が冷える

縫い合わせた理性では
この泥濘は超えられぬ



(3:39)

季節がかわるときに
おもいだしている
漣のような
残酷さで

おもいだしたくなんてないのに
同じ季節を
過したことなんてないのに

窓からは
さよならのにおいがしてる

さよならなんて
したことも
ないのに



(3:43)

よごれた目で
愛そうとした
いっぽんの釘を

うちぬいて
ひきこわして
のたうちまわり
ひとを
傷つけてまで

だんだん
愛とはちがうものになるのを
感じながら
愛そうとしてい
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