逸脱/
草野春心
胸に抱いた
ちいさな逸脱を
きみは、
そっと足もとにこぼして
かなしげな
落ち葉のように重ね
どこか、
もっとかなしげなところへ
届こうとした
あのくるおしい秋の日
見えなくなるくらい
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