三十分後の青春/
yuugao
指の境目に現れる透明な詩話
越えたように波打ち続けている
記憶を邪魔者にしようとして
うっかり波にさらわれることもなく
取り残されてしまう
同伴する記憶が欲しがるガラスを
もっと増やさなくてはいけない
指を波にあてがいながら
ゆっくり慎重に
細工を施し始める
次第に
厚みを増していくのがわかる
誰に教わることもなく
記憶が記憶であるために
一際
落ち着き放って
淡々とガラスを含ませていく
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