遺書にはならない足跡/セグメント
感謝しているし、真実、ありがたいと思っている。
自殺を考えたことがあると、私の話を聞いて告白してくれた友人もいる。時間や環境に追い詰められ、もう死んでしまえば逃げることが出来る、考えなくて済む、終わりにすることが出来る、そう思ってマンションのベランダから幾度も下を見たと。他の友人の話では、半分以上の体がベランダから落ち掛けたところで家にいた家族が偶然見付け、引き戻されたこともあると。
現代は、検索するということがインターネットによって容易に出来る時代だ。死にたい、という言葉ひとつで幾らでも記事がヒットする。ブログや掲示板に、苦悩を綴る人間が本当に数多くいる。つい最近のことだ、私自身もそうい
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