遺書にはならない足跡/セグメント
で独り言のように思えて仕方ない。ありふれた表現ではあるが、私がいなくても、私がいなくなっても世界は今日も明日も明後日も廻り続ける。私など、まるで初めからいなかったかのように。ひとり暮らしのせいもあるのだろうか。私は今まで友人に恵まれていると思い、幸せだと思っていたにも関わらず、こんなにもひとりきりだと思ってしまっている。どうしてこのようになってしまったのだろうか。考え続けた末、三月の震災以降、ゆるゆると私の根幹が変化してしまったのだと、最近になってようやく私はそうと理解した。気が付いたことが幸福か否かは知らない。
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私は二十年以上の人生と呼ぶには未だ短いのかもしれないそれを生きて来
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