遺書にはならない足跡/セグメント
 
死ぬかもしれない。毎日、何かしらで誰もが疲れている現状に、頑張ろう日本、頑張ろう東北と書かれた旗や貼り紙や食物が並び、目に入る。あたかも強迫であるかのように一日中を通して節電を強いられる。そのような現況に疲弊し切っている人間に、頑張れ、頑張って生きてくれなどと私は言えない。相手がどんなに親しい友人であっても、おそらく同じではないだろうか。
 実際、私自身は毎日、放射能のことを気にしている。外出するたびごとに被曝しているように思っている。食べ物は東北産のものはほとんど購入出来ず、関東産でも悩むようになった。水は水道水を飲んでいるが、それで良いのかどうかたびたび自分に問い掛けている。雨の日の外出は非
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