すべての記憶を失ったMなひといきのために… (序)/アラガイs
 

記憶だけが眠る小高い丘
透明な壁の稜線をちぎれ雲は通りすぎて
M字と書けなかった夏
(突然)きみは荒れ地に姿をくらました
夕立は今も土底を洗い流して気ままに
と、とひと月と打ち消された三年の座標軸(
真砂に埋もれた宛名のない表示…「
」もしも「きみの墓石はあるのか…と尋ねられたら
…足下の野花を指差せばよい 。
〃〃雑草だけが生い茂る勾配の〃〃〃
)受け皿は風化した鳥ノ骨
(S/堆積の記憶が、 二の足を踏むまいと爪先でぶら下がる 。
染みだした雨水が、無用と無知にかわる 。
それでいいのだ 。









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