スタブ・フォー・ファインデイ/竜門勇気
 

僕らは今日も通り過ぎるだけだ
長い長い行列の彼方へ続く道のりの中
一瞬見てるだけの景色だと
笑ってしまってもいいだろう
刺すんだ殺すんだ
君も生まれて死ぬだけの存在だ
踊り場にしばらく留まって
なにか特別な気分にでもなったか?
死を思え
やがて車輪は坂道を転がり始めるだろう
戯れは終わるようにできている
君が僕を殺すなら
僕はその前に君を殺す
沈み始めた浮島に
すがる僕がおかしいか?
君も踝まで浸かってるんだ
君の肩にはもう次の住人がいる
ごぼり
沼の底がまた少し溶ける
君のふくらはぎが飛沫に濡れる
世界は浮島でいっぱいだ
僕のひざに波が押し寄せてるのが
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