俺の一日にはずっと同じ形の染みが記されてゆく/ホロウ・シカエルボク
 





皮膜だけで感知するヴァイブレィション、崩落する外壁の中に
差出人すらすでに忘れた封をされた手紙、ごらんよ
それはもう俺たちの知っている言葉とは変わってしまった
ただ真っ当な憧れや、言外のものを語るための
様々な道程を経てそこに辿りついたはずのものたち
明るい空を見て明るい空と歌うことや
悲しみを悲しみと歌うことをするまいと決めたものたちの遺産
素直と愚直を
平穏と凡庸を
同じ棚に並べてはならない、境界は明らかにしておかなければならない
一〇〇あるものを知らずに一を歌うことを
シンプルと呼んでは決してならない
真っ直ぐな道を脇目もふらずに歩くことは
たい
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