愚かな蜘蛛の物語/梅昆布茶
 
一陣の風に
吹き飛ばされて
舞い上がるよ
俺の人生

無常の豆腐の上の薬味みたいだなんて
君はわらう

藁のつとのなかで発酵する納豆のように
銀色の糸をひく人生もいいね

ぼくはといえば金色の蜘蛛になって
人生の虹の谷を
渡り行く風来坊

君の透き通った羽根が
空気に震えるのを
観るのが好きな
片隅の臆病な
のんびりスパイダー
蠅の王の島でミミズが昼寝している
そんな風景を
洗い流してしまわないか

気持ちの良いスコールはさりげなくやり過ごして
また風に乗る
しなやかなスパイダー

まるで星屑のように自由な流れ星
金色の尻尾を夜空に
流しながら銀河を滑るよ

新しい恋人に
軽くウィンクしながら

輝くソリッドスライダー

永遠の太陽風の旅人
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