異心のひと/
恋月 ぴの
れど
ぱたぱたと扇ぎながらのそぞろ歩き
和太鼓を叩く音は相変わらずで
力強く
そして官能的でもあり
※
幾つになっても「明日また」って言葉が大好きで
こんな私の葬式にお坊さん来てくれるのだろうかと悩めば
参列者の来ないお通夜の席に年老いた母ひとり
めっきり不自由となった足腰を嘆くも
先立ってしまった娘の不憫さには口を閉ざす
※
いつかの日にも聞こえてきたような
和太鼓を叩く音
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闇へと流れた我が子の鼓動
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