異心のひと/恋月 ぴの
どれほど歳を重ねたにしても
夏の終りは感傷的で
どこかしらか和太鼓を叩く音が聞こえてくる
リズムを刻んでいるようであり
生の在り様を現そうとでもしているのか
小刻みに
あえて無表情に
※
大人になってからの宿題
誰から急かされることもなく
手をつけなかったとしても咎められたりはしないので
夏をやり過ごす毎に重荷となったそれを
精霊流しと拝む
そんな一時しのぎを繰り返しながら
いっぱしの大人になってしまう
※
浴衣には扇子より団扇が良く似合う
年に何度も袖通さないからと
どこぞのセールとかで仕入れた記憶あるけれど
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