夏至/麦穂の海
 
サマーウェイスティング
また 夏がめぐる

夏休みは
夏のお休み
ただ それだけ

街灯に蛾がへばりついて火をふいて
落下した
螢みたいに

蛾は脂を燃やして落ちていきながら
熱くなった灯りをまじまじと見つめていた


サマーウェイスティング
また 夏がめぐる

体と外側との境界線が
薄れていく
まとわりつく水滴が

小さな世界を
内包している

青空がTシャツの
向こうに
ひるがえって

遠く遠く

遥か彼方の宇宙が
陽光の奥に透けて見える

闇が照らされると
青くなるらしい

明るい闇は
私たちの胸を

軽やかに
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