全ての猫と窓のために/縞田みやぎ
 



その時が来たのならば
全ての窓を開け放しましょう
それが その時であるのならば

まいにち みて いるのだけれど

ひざの上で組まれた指が
互いに爪を立てている

まいにち かえるたびに さがすのだけれど
みつけてあげられないの
わたし まどを しめてきてしまったから

その時 私たちは道の上にいた
どこへでも行けるし 戻れるのだと
日は夕刻にかかり
あらゆる道の上は どこかへ行く人たちで あふれ

それが その時であったならば

ねえ どうにもならなくて
ねえ もう どうにもならなくて

爪が 爪の根元を 
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