潮風の頁/
たもつ
潮風が吹くだけの頁がある
そこまで読むと
少年はいつも眠くなってしまう
少しずつ部屋に隙間ができる
西日とともに
明日、と呼ばれる不安が
部屋を満たし始める
ハエが小さな声で鳴く
テーブルの隅で
夏に別れを告げている
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