しゃぼん玉/
千波 一也
できるかぎりの優しさで
息をおくって
あざやかな
卵のひとつひとつに
そらを託しました
そうして
いかにも幸福そうな
幽閉は
繊細に
消えるのでした
ことば以外の
ちからによって
いかにも幸福そうに
消えるのでした
あざやかな
そらの向こうを
とべないわたしは
きょうも卵に託します
半ば強情な
優しさで
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