うつむいて/はるな
 

ひざしが

丁寧にものごとを区別している(明るいところと影と)
かたむいてみている窓のそとがそうされるのを。
床はすこしつめたくて、かたくて、いい。
すこしずつ、ものごとは遠のいていく
午後で、時計がすすむのを、あきらめきれずになんども確認して
それでもとめられないものを
ゆるす。
きみはいなかった。
どこにも

どれだけ拭ってもだんだんとよごれていく、
こまかい傷がついていく家具たちの足もとで
うずくまって、
その傷をなめるように、
なめとるように、(できない)
ひざしがだんだんと
侵食していくさまをみている。
ひざしが
わたしをてらさないのは
カーテンが邪魔だから
そう言って安心しようと(できない)する

どうかんがえても三十九番目だった、
卵のときから
おとっていて
水色のビニールのかたまりが
回収されていく
気軽なかんじで
放り込まれていく
そこがべつの世界なんだよと
言われていたら(明るいところと影と)
わたしは
それをだまってみていることが
できただろうか



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