灰色の大地の下で/wako
 
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百年の時が流れても
緑におおわれる事のない
荒れ果てた灰色の大地
小石まじりの砂が
地表に渦を巻いていく
叩きつける雨
照りつける太陽
数え切れない夜と昼が
淡々と通り過ぎていった
二度と命が芽吹くことのない大地

一瞬にして埋もれた街
目印に心に刻んだ欅の木
あの日のままに
あの場所に
枯れ木になって
わずかに地表に突き出して

無意識のすき間に
いつの間にか忍び込む
蜃気楼の様にゆらぐ
埋もれた街が
日に日に存在を主張する
記憶の底に沈んだはずのあの街を
危うく彷徨いそうになる

確かめなければいけない
この大地の下に何
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