流されてここにきた/麦穂の海
 
っぺんから
しゃんしゃんと

島に満ち溢れていた


流されてここにきた

安心して雨水にぬれて
息をふかぶかと肺に吸いこみ

暗く閉じられた窓を開け放って
洗濯物を太陽の下にたなびかせる

あの人がいる

ほんの少し前3月11日以前には
確かにあった私たちの日常は

流されてしまった

流されてここにきた

棄民

流人たちと

えどになった土地に生きる私たちの運命は
400年前と

およそ何も変わっていない


le samedi 1er Mai 2011
@八丈島













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