マネキン/草野春心
 


  脚だけのマネキンは
  切断したものの
  憎しみが
  のこされていないので
  嫌いです



  夢のなかで
  腕だけのマネキンが
  滑らかな五指のはやさで
  ケータイで
  メールをうっていた



  しろく
  するどい
  つきのひかりが
  ぼくをはだかにする
  これからなにがおこるのか
  しっているようでいて
  ほんとうは
  なにもしらない




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