熱者病/愛心
 

くらくらする、蒸し暑い非常階段。

言い様のない淋しさに、逃げてみれば

熱、夏、ひとり

どうすることも出来ずに、そっと頸を締めた。

扨、これから
咽ぶのか、縋るのか
蹲り、眼下の傷みに焦がれるのか

呼吸困難。歪んだ笑み。

どうして、わたしが。
こんな、不安定。ぐらぐら。
何故、こんな、
巧く生き出来ない、どうして?

揺らぐ体、廻る視界。
痛い? 音。躍る世界、身体。

一つ、息を吐いた。

「どうか貴方よ、抱き締めて。」
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