火打ち石/るるりら
 



無人島に来た 
ほかの連中は 探検だとか言って 入り江の向こうの
叩き合わせると 火花が立つという透明な石が ぴかぴかしててメノウになってる場所を探しに行った
じゃけど、 体調の良くなかった  わたしら ふたりだけが ほんとうの無人島に近い。わたしら 二人だけの 無人島というか 二人島じゃっ。

島を独占したら
さざなみが
そらが 
遠くの一直線のほうで おいで おいでをしている
大海原を こぎだしてしまいたい
波の言葉は いつも はげもうとしている たゆまず すすめ
過去を悔やむな
たちあがったなら そのまま すすめだ 水平線がまっすぐ
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