天文台へゆく/梅昆布茶
 
毎週土曜日
僕がひそかに尊敬していた先輩が

その熊のような
かわいらしい
大きなぬいぐるみのような
からだと
それに
そぐわない
ひとなっこい笑顔で
星の世界の
水先案内人を
つとめる

市民天文台に
彼女と子供とぼくは
行こうと思う

街のはずれの
荒川沿いの
ちょっとした
美しい丘陵地帯に

釣りもできる池や
遊歩道や
気持の良い芝生や

恋人たちや
くつろいだ家族連れの笑い声や

お弁当の
唐揚げや
春には
桜の花が
夏には
花火大会の

そんなこじんまりとした市民の
くつろぎを

何気なく受け止めてきた

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