遠近法/
千波 一也
空から降りた
この雨の
いつ、を
えがこうと
わたしの自由
だから
わたしも
あまり多くを
気にかけないで
雨に
ふられる
ふれ、られる
しずくが
水面に還るとき
ちぎりのしるしに
指輪がうまれて
きらきら、
消える
それを
わたしは
どの岸辺から
見ていたのだろう
空から降りる
あの雨の
見てきたものを
わたしは知らない
水面に映る
わたしの顔は
どの
深みからの
視線だろう
この
手の届く
水は浅くて、
水面に
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