踏まれた花/yamadahifumi
「花を踏み付けないで下さい!」
と詩人は言った
インタビュアーは花を踏みにじりながら聞く
「あなたはどうして詩を書いたのですか?
あなたはどうして詩人になったのですか?」
「花を踏まないで下さい!
花を踏み付けないで下さい! それが
詩人にとって唯一の糧なのです!」
と詩人は怒鳴るがインタビュアーは一歩も動かず
「あなたはどうして詩を書いたのですか?
あなたはどうして詩人になったのですか?」
詩人はインタビュアーを突き飛ばし
「これが答えです」と言って踏まれた花をそっといたわった
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