ともしび/千波 一也
 

 日々だとしても

 聴き続けている
 うたがある

 いいうたね、って

 誰でも
 いつでも
 来られるように

 閉じない扉を
 きしませながら


 ひとり、
 客間をあたためて



あきらめたら、
きっと

知らないことが
ひとつ減る

けれど、

それを
喜びとは呼ばないことを
だれもが知っている



夜を、

終わるはずのない
夜を

すべての
暗がりを

見つめすぎてはならない
うしなっても
ならない

だから、
ちいさく

ちいさく揺れよう
灯りを
もって

みんな、
つながって




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