ふるわすように、雨/
あぐり
今日も
まぶたの底に沈んでいる
気配を感じてまた
泳ぎながら指を固める
永遠はいちばんわかりにくい翻訳だから
爪先から這い上がってこないように塗るくちなし色の
どこにいても思い出してしまう水のにおいは
首筋にはりついてもう
ふと何気なさを装うように中指で撫でている毎日
春雷を踏んでいくステップ
あやすような呼吸を落とせばまた少し
鼓膜ふるわすように、雨
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