過失器/yuugao
雨が置いていった湿度
長気の除湿を待つことは無理そうだ。
過して失われていく途中で
雨親から離れ落とされた湿度たちが
それなりの密度で群れながらも
迷子顔して近づいてくる。
身体に、まとわりつかれたところで
親の代わりには、なれないし
親を探してあげることも
恐らくは、できないだろう。
過密に群れていっているはずなのに
何故だろうか、どこか寂しさを感じる。
ここに永くは留まれないということを
湿度たちは知っているというのか
そうか
そういうことだったのか
長いこと、湿気は与えられるものだとばかり思っていた。
湿度によって
奪われるものがあるなんて考えもしなかった。
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