天の川を踏みながら/長押 新
て二人で/笑った/心臓のようにドクドク笑った/此処では/誰も泣いていないんだ/誰も/泣いていないんだ/淋しそうな瞳を持たない/震えるような声も出さない/此処からは/黒い点が見えない/中にいるから/やっぱり/此処は中だ/世界の/或いは星の内側なんだ/それなのに/どんどん美しくなっていくのを見て/吐き気がする/本当は誰も彼もが死んでいて/それでも此処は/誰かの瞳の中に黒い点として/彦星である/それから織姫でもある/それなのに/彼女に服を着せたのは誰だ/服を着せたら/流れ星のように/消えていくんだから/空を見上げたら/流れている/足の裏に/名前を書かれた女の子たち/何処にだって行ける/降り注がれる/星を
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