天の川を踏みながら/長押 新
 
かりとし始めている/眩しかったから/怖くなんてなかったのに/フラッシュが/私の胸を焼いたりし始める/怖いのは気のせいじゃない/まあそれでもいいのかな/しばらくはいいのかな/若いうちはいいのかな/私から私の匂いがしているうちはいいのかな/此処は本当に不思議なところで/私が泣いていたようには/誰も泣いていない/だから/帰れないのかな/24個の角が/砕かれて/さらさらとコンクリートの凹凸に埋まる/月のように喘ぐ肌の/毛穴が開いて/その穴から次々と嘔吐していても/客はそれを丁寧に舐める/絶頂から/落ちてきた女の子/基盤がないから/沈んだり浮かんだりしなかったのに/地球には地面があった/そこで/何人かが/消
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