小詩集【流星たちの夜】/千波 一也
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一 送電線
夕立のあとは
すっかり晴れて
青と
朱とが
きれいに
混じる
送電線には
数羽のからす
もうじき
日没後には
からすの色は
空と同じに
なる
だから
わたしは
確かめた
送電線の
ずっと向こう
黒と
呼ぶには
まだはやい
きれいな
混じりを
確かめた
風に
揺られる
わたしの髪にも
からすを数羽
休ませながら
二 答礼
寂しさが
つのるようなことばかり
追いかけているような
気がします、
毎日
だから、ほら
ぼくの靴は昨日より
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