当たりくじ/寒雪
 

その差はと問われてもぼくにはわからない
ただ
たまたまきみはビンゴを引いた
明日はぼくがきみに続いて
当たりを引いて死神に喜ばれて
命を散らしていくかもしれない
そう
たったそれだけの差異


皮肉かもしれないけど
ぼくはきみの抜け殻を見つめていて
初めてぼくときみが
同じ地平線を見て
闇雲に歩いていたことを理解した
その点だけは
ぼくときみは同じだったんだね
平等だ
と語るにはあまりにも悲しい物語


明日がビルの影から
ぼくの命を狙撃する
その危険を避けながら
ぼくは明日も
あてもなく歩き続けるだけなのだ

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