ペットボトル症候群/nonya
本当の名前なんて
一度も書いてあったことがない名刺を
感じ良く差し出す空っぽな指先
本当に行きたい場所へ
一度も連れていってくれたことがない
少しくたびれた空っぽな向う脛
どんなに満たしたつもりでも
必ず隙間が出来ちゃうのは
自分の何処かにある亀裂から
中身が滲み出しちゃってるせいだけど
あまり考えないようにしてるんだ
軽〜く身体を揺さぶれば
ポッチャンピッチャンと
笑うことだってできるしね
それよりもなによりも最近は
どんな中身を入れてやろうかと
あれこれ考えるのがマイブーム
右の二の腕には
思いっきりわがままな炭酸飲料を注入
満員電車と日替
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