マイム・マイム/藤鈴呼
世知辛い
せちがらい
一日が 過ぎて
進んだんだか
戻ったんだか
よく分からない程の
熱風が
頬を刺す
しょうゆチュルチュルで
シュコシュコしたのは
自転車のタイヤ
空気入れの音では無くって
灯油の赤ポリタンク
その代わりに
青いバケツを 持って来て
青いビニールシートを敷いて
此処は 屋内なんですけれど
ちょっと テントでも
張りたいような気分にも
なっちゃって
白いタンクを
よっこらせ と 引き上げると
水浸しになった 床が
二重になっていて
穴が 開いて居る
バキュームカーが
通り過ぎた瞬間のような
臭い
覚
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