彼女が言ったこと/草野春心
 


  かってに
  時間をとめて
  うごかないものたちの
  うごかない肌のうえをなぞる



  あなたの詩ってそういう感じよね
  と
  彼女は言い、
  かぶっていた帽子をぬいだ



  真夏の空をゆく
  ウミネコの群れに僕は
  話しかけたい
  ここはきみたちの居るべきところじゃない



  ここは、
  きみたちの、
  居るべきところじゃない、
  と。




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