彼女が言ったこと/
草野春心
かってに
時間をとめて
うごかないものたちの
うごかない肌のうえをなぞる
あなたの詩ってそういう感じよね
と
彼女は言い、
かぶっていた帽子をぬいだ
真夏の空をゆく
ウミネコの群れに僕は
話しかけたい
ここはきみたちの居るべきところじゃない
ここは、
きみたちの、
居るべきところじゃない、
と。
戻る
編
削
Point
(3)