ありがとう/吉岡ペペロ
 
ぼくは鷹のように悠々としていて

コアラのようにぼーっとした少年だった

あるとき町に楽団が来た

ぼくは楽団のあとについて町中を歩いた

手拍子しているのは最初ぼくぐらいのものだった

さいごの場所では踊り出す大人たちまでいた

おばさんは

なぜかぼくの勇気を誉めてくれた

ありがとうございます

これからもよろしくお願いします

なんであのとき

こんな受け答えしか出来なかったのだろう

ぼくは鷹のように悠々としていて

コアラのようにぼーっとした少年だった





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