憧憬/梅昆布茶
冷たく懐かれた
幾星霜の旅をさまよってたどり着いた
流れ星の
ふる夜は
君の面影をやさしく
思い出すだろう
この世が無常な
仮の宿りだとしても
僕は永遠に
手紙を書き続けるだろう
いつか無言で互いの瞳の中にあるものを
確かめあおう
そして
手を繋いで眠ろう
永い冬を
子供達の子供達の子供達の僕らは
時間の中で風化してゆく夢の多くを
砂のなかに埋めて
墓標をたてた
僕らの愛も
きっと
無名戦士の墓のように無表情に
でもせつなく
立ち尽くして
いるのに違いない
僕が刻む墓碑銘は
憧憬
そして僕の望むものは
慟哭
そして届かない手紙の宛名は
愛
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