イギリス/梶谷あや子
 
すさをして 彼が
焦がれるほどの
あこがれの最中にあったものを
俺も垣間見たのだ
この熱さの最中に
見落とした雨のなかに

そしていつかまた 燃えおちる、
彼の空や 星や 海を
うつす碧い目が 俺のもとへ
          と(まっすぐに)
帰ってくるのを待っている

俺は住み慣れたこの家を出たら
思いでのなかの 小さな公園をぬけよう
語るためのことばが いま尽きるとも
今度はもう出会えないとしても
想い描く、
(君はどこまで飛んでいくのだろう?
あたたかく湿った髪の毛に
差し入れられた夕暮れの
その碧が
俺の目に染み込んで






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