summer/佐藤真夏
 
花火、風。立ち尽くす夏 陸橋で麦わら帽子は抑えずにいた




日に焼けた腕に食い込む荷の持ち手 両てのひらで生かした金魚




向日葵が燃えない程度に咲いていて息継ぎの度ちらりと見える




かみさまの星流れ切り小さな火 溶解速度を増しゆく夕べ




ひとりごと墨を垂らした水のよう 点が続いてまだらな時間




すくわれる まくった袖のひだの間に君らの笑みを溜めておけたら




せーのってわたしは言うから手を繋ごう足並み揃え虹に近づく

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