summer/
佐藤真夏
花火、風。立ち尽くす夏 陸橋で麦わら帽子は抑えずにいた
日に焼けた腕に食い込む荷の持ち手 両てのひらで生かした金魚
向日葵が燃えない程度に咲いていて息継ぎの度ちらりと見える
かみさまの星流れ切り小さな火 溶解速度を増しゆく夕べ
ひとりごと墨を垂らした水のよう 点が続いてまだらな時間
すくわれる まくった袖のひだの間に君らの笑みを溜めておけたら
せーのってわたしは言うから手を繋ごう足並み揃え虹に近づく
戻る
編
削
Point
(2)