カブトムシ観/塩崎みあき
アスファルトは
いまもなお
死後硬直
から
逃れられることが出来ず
深々と刻まれて
轍でコッカク
を保った
その下
の
黒い
焦土の
においを
塗りつける
コッカク標本
の舌にナメとられた
道
の
都市は
外コッカク
で形成されている
虫がバイオリンのごとく
厳かな光をその
体表に掲げ
他者と
の
表面上
の違いを
訴え続けている
実の所
半ゲル状の
いとも簡単に形を
変えてしまうものです
図案化の
どうしようもなく
進んでいる非常に平面的な
都市
都
市
アスファルトはいまもなお
半透明半ゲルの
あてどない
不安を
隠す
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