5cm前の記憶/ぶるーびっと
 
夏の
夏の欠片が
こぼれ落ちてた
あの日

僕は
名前も知らない
通りすがりの公園の木陰
芝生に体をあずけながら

空が青く
突くように青く
僕を包む
空に包まれていると
幸せな気分になれるのは
なぜだろう

とか
考えていたが
郵便局の向かいのコンビニで
一袋60円のソーダバーを買っていたのを
思い出し
溶けないうちに
食べたい

袋から取り出すと
やはり溶けかけていて
青がたくさん
雫となって大地に消えてしまい。


ソーダバーの青と空の青は
まったく違う色なのではあるが
ぼくは5cm前だったから
疑いもせず
ソーダバーを 
はむ

ほおばった
から、
のどが冷た、
かった
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