同じ空の下/寒雪
 
今日も
大地の上で生きているモノ
すべてを殺戮するために
にじりよる朝の光
表面を輝かせて
自らの酷薄な薄ら笑いを
その下にうまく隠したつもりで
偽りの微笑を地上に降り注ぐ太陽を
頭上に仰いでいる僕たちは
標的になることを避けようと
軒下の小さな影に息を潜めて隠れ
いつ訪れるともわからない
青白い顔をした月星の夜を待っている


頼りなげな涼風が
自信なさげにススキの穂を
頬擦りして過ぎて行った
やけに寂しげなあの夜を覚えている
導かれるように二人
誰もいない荒れ果てて
水気のない乾いた校庭の真ん中に立って
すすり泣きながらそれでも
生きてる証を見せよ
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