八月の雨/
御笠川マコト
石ばかりの街に
ひとしきりの、 雨
刈り上げた項を
さぁと風に撫でられて
今を知る
そんな雨のような
人と紡いだ記憶に
支えられながら
僕は在る
小さな苦しみを連ねた
長い時間の中で
美化された記憶なんだと
承知しながらも
石ばかりの毎日でも
ひょっとして、また
雨が降ってくるのを
僕は
待っている
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