通りの向かう側に/opus
通りの向かう側に
白い花が揺れている
横目で見て
それで終わり。
その後の人生に
君と出くわす事は
あるいは、
もう無いかもしれない
だから、
想像する
僕は君の
花弁を撫でる
君の蜜を吸う
君は
茎から無惨にも
毟られる
君の根は
コンクリートの狭間に
置き去りに
半身で君は
蜜を
与える
僕に。
一方的な行使の元に。
想像は閉じられる
あまりにも
暴力的で
不快になる
君は
いずれ種を付け
世界に
君の欠片達を
飛ばすことだろう
ただ、
それも想像に過ぎない
あくまで
君と僕はそれだけだ
その一点で関わったに過ぎない
ありとあらゆる
可能性の中
紡がれたのは
その一瞬に過ぎない
一瞬はどこまでも居残り
どこまでも付き纏う
この世界では。
ただきっと
1週間もすれば忘れてしまうよ
僕らでは。
さよなら、君。
さよなら、一瞬。
さよなら、可能性達よ。
そして、往々にして、
僕らはまた出くわしたりする。
どこかで。
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