寄り縋る片蔭(十)/信天翁
 
はしゃいではいない
      だべってもいない 街なか
どうしたわけか
      申し合わせたように
町内が一斉に半旗を出している
   不幸・不運のそれらしき気配もないのに

そんな 固唾をのんでる市道で
   息をひそめて寄り縋る片蔭があった
     ショッピングカーをひきずりながら        
           カタコトと地祇へ乞い願うように         
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