休息/あ。
 
それから、わたしたちは
たわいもない話をした
例えば
太陽熱の行方であったり
入道雲の裏側についてだったり
陽炎みたいな
曖昧な、話ばかり選んで


窓から顔は出さない
直線的に切り取られた空を
ぼんやりと見上げて
だけど、それすらも
溶けかかったアイスクリームの前では
たちまち通過したひとつになって


足を止めてから随分経つような気がする
再び歩き出すのはいつなのか
わたしたちにだってわからないし
ましてや
とっくに枯れてしまった紫陽花になど
わかるわけない
わかるわけないのだから
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