ウロング・サマー (1)/
DNA
夏の夜がひとつずつ明け
きょうもまた
薄ら笑いで迎えた
なにが可笑しいのか
闇雲に過去を
終わらせてみたい
と思った
断ち切るには
じゅうぶんに
必死の顔つきだが
ことばと技術が
だぶついて
過去のほうから
笑い声と
すすり泣きが
合唱しながら
近づいて
くる
こうなったらもう
とか云って
非常口を探している
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