私の関心事/番田 
 

俺自身にとってはパウルクレーの絵ですらどうだっていいことだ。彼の絵を参照するのなら、マレービッチを拝んでいた方がより懸命である。シャガールだとか、ルノワールは嫌いだった。ミロもルオーもイラストレーションのように私の目には映るのだ。芸術であることの選択肢が限られた作品が好きだった。ピカソもマチスも人によっては好き嫌いがあることだろう。あるひとはマチスのダンスを見て不気味な色づかいの絵であるといったものだ。セザンヌもそうかもしれないが、好ましいとされるイメージからかけ離れたものが、芸術としての価値をはらんでいるものなのである。


だからこれから発表されるような作品にはいつもアバンギャルドな
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