すこしづつさみしい/
竜門勇気
八月を
むやみに生きるの
てつかず
はちがつ
壊れるまで
そっとみてる
触れないように
かかわらないように
それでも
セミはおちていく
かぶとむしの
くびはおちていく
暑くって
だるくって
天気予報だけが
刻んでいくまいにち
目をつぶって
来るものだけが去っていく
穏やかな怠惰
なにが来て
なにが去る
緩めた指の分だけ
去っていって
帰らない
夕顔の飛沫に
託して
どうしよもない
回転を落とそう
落としてしまおう
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