赤トンボ/
花キリン
送り火を焚いて送り出し
お盆の月を越えると
残暑という夏の名残りだけが残った
ご先祖様の供養を
夏の真ん中に置いて兄弟達で
あの頃を懐かしんだ
残暑お見舞いが届いた
百日紅が絵葉書の中心に置かれ
赤トンボの絵が描かれていた
人の姿が少しずつ消え
絵葉書から飛び出した赤トンボが
上空を旋回している
日が一気に短くなって
人恋しさに手を添えるようにして
夕暮れ色に染まり始めた
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